牧野富太郎博士の晩年の著作も、文庫で復刻されて読むことができる。
その中のひとつに、こんなことが書いてある。
植物に興味を持てば次の三徳がある。
第一に人間の本性がよくなる。野に山にわれらの周囲に咲き誇る草木を見れば、何人もあの優しい自然の美に打たれて心和やかになるであろう。
第二に健康になる。植物に興味を持って山野に植物をさがし求むれば、戸外の運動をするようになる。したがって健康が増進せられる。
第三に人生に寂寞を感じない。世界中の人間がわれに背くとも、我が周囲にある草花は永遠の恋人として、われに優しく笑みかけるであろう。
「植物と人生」より 『花物語』牧野富太郎(ちくま学芸文庫)
- 作者: 牧野富太郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/01/06
- メディア: 文庫
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