そちらのマイクロノベル

ああ、この花も。ヒマワリの種の並びが描く螺旋の数は、どの花もフィボナッチ数だ。だが、まれに外れた非フィボナッチの花があり、それを集めた花束が欲しい。そんな数学が苦手な人のリクエストに応える花屋がある。
#マイクロノベ

 

昔、ラングドシャロールの虜になった人がいたが、病にかかって食べることを禁じられた。せめて花のように見ているだけでもと、育種家に頼んで育成されたのがこのジニアだ。バニラの香りをつけた花も選ばれつつある。
#マイクロノベ

 

そちらで三次元の巨大な歯車として世界を動かす存在は、こちらではマルバハグマという植物の花として、林床に咲くのが見られる。三つの花が合わさり一つの花のように見え、キク科だがそちらに関係の無いことだろう。

#マイクロノベ

 

そちらでの都市の発展が、こちらでは幼虫の成長へと投影され観察ができる。資源を喰らい脱皮して成長し、やがて蛹へと姿を変える。その後羽化して飛び立つ際に、そちらの都市はどのような変貌をとげているのだろう。
#マイクロノベ

 

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