どうにもマイクロノベル

夏草は空へ帰ろうと、アンテナだかなんだか知らないけれど、どんどんと登っていった。上までたどり着いて、電波になって空を飛ぶか。待てよ、ここから急に歩き出してやれば、人間どもが驚いておもしろいかも知れん。
#マイクロノベ

 

彼らが大騒ぎをして帰ったあと、そこには宝物だったものが残されていた。再び彼らが訪れたとき、宝物は輝きを取り戻すだろうか。それともそのまま忘れ去られて、新たなトレジャーハンターを待つことになるだろうか。
#マイクロノベ

 

あっ、思わず声を上げた。子どもの頃、一度彼らが空を渡って行ったのを見たことがある。あの日も夕焼け空だった。手を振って見送ったのを憶えている。また会えるとは思わなかった。今度はいっしょに連れて行ってくれ。

#マイクロノベ

 

fujitama3.hatenadiary.jp