さてマイクロノベル

その人物は、まるで蛇口をひねって水が出るのを初めて見たかのように驚き喜んで、店にある蛇口を全て買っていった。その蛇口からは、こんこんと水が湧き出したという。魔法の蛇口社、設立の黎明期。現会長の逸話である。

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あの雪がしんしんと降り積もる音。あまりにおいしいらしく、その音はすぐに食べられてしまい、長年聞こえなくなっていたのに、音喰い鳥が絶滅して音が帰ってきた。なぜ滅びたのか、雪の音が気になって眠れやしない。

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石油が枯渇したいま、古ペットボトルを所有することが富の象徴であった。このペットボトルに囲まれた大富豪の畑で育った野菜は、あやかりたい人たちに高値で売れるらしい。もはや、猫もあきれて近寄らないという。

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八百万の神に、ドーナツの穴の神あり。十九世紀半ばに出現したり。信仰する者は、エンゼルフレンチなど美味なるリングドーナツに出合えし。また、信仰なきとて、エンゼルクリームにはめぐりあえし。ともに幸せなり。
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